年賀状のこんなイベント
情報システム部門の専門家の役割はますます重要となっているが、これだけパソコンなり、端末装置が末端のユーザーに普及してくると、個々のユーザーの多様な処理ニーズのすべてに情報システム部門の専門家が個別に対応していくことは実際上、不可能である。
日本ではともかく、欧米では管理者がパソコンをよく利用する。
スプレッドシートソフトの元祖のVisiCalcもその中心的なユーザーは企業の管理者であった。
彼らは経営意思決定のだめのさまざまな分析を行おうとするが、そのニーズは多様であり、標準化して情報システム部門の専門家の支援を受けることは困難であった。
そこで個別に各自のニーズを処理する方法を求めたのであり、その目的にぴったりかなったのがスプレッドシートソフトであった。
現在のスプレッドシートソフトーユーザーのかなりの部分もそうしたユーザーに支えられている。
ということでスプレッドシートソフトの発展の過程で管理者の意思決定過程を支援するさまざまな機能も含められるようになった。
すでに説明したように、スプレッドシートソフトの基本は再計算機能、つまり、Whatif分析機能である。
それによって、一部の条件(データ)を変更したときに結果がどうなるかを即座に知ることができる。
このWhatif分析機能は大変に便利であるが、それはいってみれば、さまざまな条件(シナリオ)のもとで将来を予測しようとする分析である。
それに対して場合によっては、将来の結果あるいは達成したい将来の目標から、そのために必要な条件を探り出したいことがある。
たとえば、今年度の利益目標がある値に設定されているとして、その利益目標を実現するためにはどれだけの販売実績をあげる必要があるかといった分析である。
これをゴールシーク分析とよぶ。
ウィンドウズ版のスプレッドシートソフトにはこのゴールシーク分析機能が備えられるようになった。
図5・12はウィンドウズ版1‐2-3のワークシート上でゴールシーク分析を行おうとしている様子を示している。
今年度の利益目標を1000(万円)とし、利益目標を実現するために必要な販売台数の値が求められようとしている。
意思決定支援の分析ツールとしてさらに、最適化計算機能も加えられた。
数学的計画法とよばれる分析ツールである。
企業には設備、原材料、資金、人員などさまざまな制約がある。
それらの制約条件のもとで、たとえば利益を最大にする生産計画を求めたり、あるいは製造費用や輸送費用を最小にする計画を求めたいときに有益な分析である。
この数学的計画法の代表例は線形計画法であり、LP(LinearProgramming)の名前のもとに経営科学(オペレーションズリサーチともよばれる)の分野で広く研究され、また、実際の応用例も多い。
従来は大型コンピュータやワークステーションを使って分析されていたのが、最新のスプレッドシートソフトにはすべてこうした本格的な分析ツールまで備えられるようになった。
ソルバーとよばれる分析ツールである。
図5・13は叩孔の上でソルバー機能を使った分析を行おうとしているところである。
ワークシート上には原材料、設備そして人員の制約条件と二つの製品を生産するために必要な資源の大きさが設定されている。
また、ワークシートの下の部分には各製品の単位あたりの利益と生産量を表示するセルが用意されている。
こうした計画用のモデルを構築し、式(R)メニューからソルバー機能を起動することによって、数学的計画法による最適化計算を行うことができる。
もちろん、日本においてこうしたゴールシーク分析やソルバー機能がすぐに利用されるようになるとは考えられない。
分析ツール以前にゴールシーク分析や数学的計画法とは何か、どのような分析のために利用できるのか、などについての教育啓蒙が必要である。
欧米では管理者を教育するビジネススクールが毎年、一〇万人前後の卒業生を出しており、定量的な分析方法を身につけた管理者やスタッフの数が多い。
スプレッドシートソフトにはこの他にも意思決定支援機能として、シナリオ管理機能やモデル検証機能がある。
シナリオ管理機能は最新版に用意された機能であり、分析を行うさいに、個々に条件を設定して個別に分析するだけでなく、いくつかの条件の組み合わせ(シナリオ)を登録し、数多くのシナリオを統一的な枠組みの上で分析することができる。
たとえば、一連のシナリオとその結果を一覧表にし、それらの中からこれはと思われるシナリオを選択したり、あるいはあらかじめさまざまなシナリオを用意しておき、経営会議などで自由にシナリオを選択してプレゼンテーションするといった使い方が可能である。
アドインソフトの利用スプレッドシートソフトはますます高度になっている。
しかし、あらゆるニーズに応えることができるわけではない。
スプレッドシートソフトに含まれていない機能を別途、付加することを目的とした別売のソフトがある。
それらはアドインソフトとよばれる。
とくに、従来から広く利用されて・きたMS‐DOS版のロータスー1-2-3用にはさまざまなアドイッソフトが発売されている。
たとえば、従来のスプレッドシートソフトのデータベース機能には並べ替えとか検索、抽出といった基本的な機能しかない。
また、ワークシート上にあるデータだけが対象なので、処理できるデータ量に限度がある。
データ量が多い場合は、やはり、専用のデータベースソフトを使う必要がある。
しかし、データはデータベースに維持されていても、それらのデータを使いなれたスプレッドシートソフトから利用したいこともある。
このようなときに、ワークシートから外部のデータペースファイルの検索や更新ができれば便利である。
そのためのアドインソフトとして、1-2-3Cardがある。
ロータス1-2-3にアドインソフトを組み込むためには、多少の操作が必要である。
しかし、アドインソフトの説明書を参考にすれば、一般のユーザーでもそれほど苦労せずに組み込むことができる。
それによってたとえば、図5・14のように、データベース管理のための新しいメニューが表示され、以後はこのメニューを使って高度なデータベース機能を利用することができる。
メニューにはデータベース選択、更新、検索、入力などの機能が用意されており、それぞれのメニューにはまた、サブメニューが含まれている。
たとえば、検索を選択すると、その下には検索条件の設定に関する選択肢があり、特定のフィールドに条件を与えて、条件に合致するレコードを検索できる。
図では住所録データベースのレコードが表示されている。
これはもちろん、ロータス1-2-3のワークシート上にあるデータではなく、ハードディスクに保存されている住所録ファイルにアクセスして表示したものである。
ロータス1-2-3用にはすでに五〇本前後のアドインソフトが発売されている。
スプレッドシートソフトは自分でいろいろと工夫して個別の目的にあったワークシートを作成できるが、市販のアドイッソフトの中で利用できるものがあれば、おおいに利用すべきである。
アドインソフトの例としてもう一つ、Excel用を見ておこう。
これは不確実性のもとでのシミュレーション分析を行うためのアドイッソフトである。
図5・15は簡単な利益計画モデルを示している。
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